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Type Interview 13: キャッシュ・ケーヒー (ESFP)

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  • 6 時間前
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キャッシュ・ケーヒー:ありのままの自分で歩んだリーダーシップの人生


キャッシュ・ケーヒーは1957年、アメリカ・ミシシッピ州ナチェズで生まれ、ミシシッピ川を挟んだ対岸にあるルイジアナ州の田園地帯で育ちました。

彼の幼少期は、南部アメリカならではの文化に深く根ざしたものでした。

そこには、農業を営む暮らし、教会を中心としたコミュニティ、家族の評判を大切にする価値観、そして伝統を重んじる風土がありました。


キャッシュがESTPタイプだったと考えている父親は、農場を営む一方で、農薬散布用の飛行機(クロップダスター)の操縦士、石油探査事業(ワイルドキャット掘削)に携わる起業家、聖書教師としても活動し、後には地元の政治家として地域に貢献しました。


サングラスをかけた父ジャック・キーヒーが屋外の椅子に座ってくつろぎ、そのそばで幼いキャッシュが建物の柱にもたれかかっている幼少期の写真。
ESTPタイプの父、ジャック・ケーヒーとキャッシュ

キャッシュがINTJまたはISTJタイプだったと考えている母親は、物静かで思慮深く、教育をとても重視する人でした。

また、身だしなみや周囲からどう見られるか、そして何事もきちんと正しく行うことを大切にしていました。


母マリーが幼い3人の子どもたちと一緒に写る家族写真。左から弟ディーン、母に抱かれた妹マーゴ、右に長男キャッシュが並んでいる。
キャッシュと、母マリー(ISTJまたはINTJ)、弟ディーン(ESFJ)、妹マーゴ(ESTP)

両親の性格は大きく異なっていましたが、キャッシュの記憶では、幼い頃の両親はいつも一致団結した姿勢を見せていました。

夫婦間の対立や衝突は子どもたちの前では決して見せず、そのため家庭は穏やかな雰囲気に包まれていました。

しかし同時に、「意見の食い違いや対立は表に出してはいけないものだ」という考えを、彼は自然と身につけていきました。


両家にとって最初の孫であり、家族の長男でもあったキャッシュには、大きな期待が寄せられていました。

彼は「良い子」であることを求められ、優秀な成績を収め、ピアノを習い、教会の活動に参加し、家族の評判を高める存在であることが期待されていたのです。


ある日、食料品店へ向かう途中、地域の人からこんな言葉をかけられたことがありました。

「君は本当に模範的な息子だ。だから私はお父さんに投票するよ。」


振り返ってみると、キャッシュは「良い子」であり続けようとしたことが、その後の人生に続く一つのパターンの始まりだったと気づきます。

つまり、周囲が期待する役割を演じることを覚える一方で、本来の自分自身とのつながりを少しずつ失っていったのです。


それから何年も経ち、心理タイプ(パーソナリティ・タイプ)の理論と出会ったことで、彼はこの心の葛藤を言葉で理解できるようになりました。

キャッシュは、母親について次のように語っています。


「母は、見た目や体裁をとても重視する人でした。

 母自身、とても貧しい家庭で育ち、手作りの服を着ていたことに強いコンプレックスを  抱いていました。

 

 そのため、私たちには学校へ行くときも、教会へ行くときも、旅行へ出かけるときも、

 いつも一番良い服を着せようとしていたのです。

 でも、その服は新しくて流行のデザインだったので、学校では(ほとんどが貧しい家庭  の)子どもたちから、私の服装をからかわれることがありました。」


成長したキャッシュと弟ディーン、妹マーゴが並んで写る兄弟姉妹の記念写真。フォーマルな服装でカメラを見つめている。
弟と妹と一緒のキャッシュ

さらに辛かったのは、幼い頃から自分の性的なあり方が周囲とは違うと感じていたことでした。


学校では、ほかの男の子たちから同性愛を侮辱する言葉でからかわれ、身体的ないじめを受けることもありました。


しかし、彼は言い返したり争ったりするのではなく、冗談を言ってその場をやり過ごし、対立を避け、周囲に受け入れられようと一層努力することで対処していました。


こうした経験は、自分自身の一部を隠しながら、周囲の期待に応え、人に好かれることに長けていくという習慣を、より強く身につけさせることになったのです。


美しさと「期待される自分」の狭間で育つ

外向的感覚(Extraverted Sensing:Se)を主な働きとするキャッシュは、美しいものや五感で味わう体験への深い喜びについて、次のように語っています。


「私は体験することが大好きなんです。食やワイン、文化の世界にどっぷり浸かり、

 この世界とのつながりを心から楽しみたいと思っています。」


また、彼は夕焼けをとても愛しています。

刻々と変化する質感や色彩、光、そして空の動きは、彼の心を感謝と畏敬の念で満たしてくれるのです。

夕焼けについて、キャッシュはこう語ります。


「夕焼けを見ると、生きていることを実感します。

 そして、この信じられないほど美しい景色を味わえることへの感謝の気持ちが

 湧いてきます。

 そこから、大きな喜びや畏敬の念、不思議さ、そして心の平安を感じるのです。」


キャッシュが愛した夕焼けの風景。湖の向こうに沈む夕日が水面を黄金色に照らし、木々のシルエットが美しく映える穏やかな景色。
キャッシュが所有していた13軒の家のうちの一軒から眺めた夕焼け。

彼が住まいを選ぶ際にも、この哲学は貫かれていました。

広々とした窓を備えた家を好み、自然の風景を暮らしの中へ取り込み、夕焼けの美しさを日常的に味わえる空間を大切にしていたのです。


明るく開放的な住宅のエントランス。白いタイル張りの床の奥には赤いダイニングチェアとテーブルが配置され、壁にはカラフルな抽象画が飾られている。左側には大きな仏像の頭部のオブジェ、右側にはガラス張りのドアから庭の緑が見える。
キャッシュが暮らしていた住まいの一室。壁には、ダニエル・ポワリエがキャッシュの内なる世界(プシュケ)を表現した作品が飾られています。

キャッシュの子どもの頃からの興味には、世界に対する知的な好奇心が色濃く表れていました。

百科事典や辞書を夢中になって読みふけり、地理に強い関心を抱いていました。また、政治やさまざまな文化にも魅了されていたといいます。

その興味は大人になってからも続き、生涯で50か国以上を訪れ、建築や食文化、ワイン、そして世界各地それぞれが持つ美しさを深く味わうようになりました。


幼い頃にはテレビ番組のナレーションをまねて語り、小学校高学年になるとイベントの司会を務め、13歳のときには教会で説教を行うまでになりました。

人前で話すことは彼にとってごく自然なことであり、一方で、人前で何かを演じたり期待に応えたりする経験を重ねるうちに、「自分の価値は人を喜ばせることによって生まれる」という思い込みも強まっていったのです。


元俳優でもあるキャッシュは、優れた演技について次のように語っています。


「本当に素晴らしい演技とは、演じたり、取り繕ったりすることではありません。

 その瞬間に完全に存在することなのです。」


さらに、こう続けます。


「優れた俳優は役に完全に溶け込みます。

 観客は『演技』を見ているのではなく、『現実』を見ているように感じるのです。」


しかし皮肉なことに、この「完全にその場に没頭する力」──そして周囲の人を喜ばせたいという強い願いこそが、やがて彼の内面に深い葛藤を生み出すことになりました。


初めて現実の厳しさに直面したとき

キャッシュは、両親の期待に応えようという強い思いを胸に大学へ進学しました。

父親は自分にエンジニアになってほしいと望み、母親は医師になってほしいと願っていると考えた彼は、自分自身はそれほど興味を持っていなかったにもかかわらず、生体医工学(バイオメディカル・エンジニアリング)を専攻に選びました。


しかし、その大学生活は決して順調ではありませんでした。


高校時代はほとんど苦労することなく優秀な成績を収めていたため、勉強の仕方そのものを身につけておらず、大学では学業に苦戦するようになったのです。

そして2年が経った頃、彼は大学を転校することを決意しました。


新しい大学へ移り、ヒューストンへ引っ越し、専攻も変更して、人生を一から立て直し始めました。

振り返ってみると、彼はそこに自分の人生で繰り返されてきた一つのパターンを見出しています。

それは、今いる環境が自分に合わなくなると、その場所を離れ、新しい土地で人生をやり直そうとする傾向でした。


仮面の裏で生きる

キャッシュの人生における最も深い葛藤は、おそらく長い間、誰にも明かさず胸の内に秘めていたものでした。


彼は早い段階から、自分が男性に惹かれることを自覚していました。

しかし、彼を取り巻く環境は、そのような自分を決して受け入れてはくれないというメッセージを絶えず送り続けていました。


1960~70年代のアメリカ南部における福音派の原理主義的な教会共同体では、そのような自分のままで生きる未来を思い描く余地はほとんどありませんでした。


そのため彼は、自分の気持ちを受け入れるのではなく、心の奥深くへ押し込めてしまったのです。


23歳のとき、彼は一人の女性と結婚しました。

結婚前には、自分が同性に惹かれたことで悩んだ経験があることを正直に婚約者へ伝えていました。

しかし、その感情は一時的なもので、すでに過ぎ去ったものだと彼自身も信じていました。

二人は家庭を築き、二人の子どもを育てました。


その後、およそ20年もの間、キャッシュは周囲から期待される人生を懸命に生きようと努めました。


しかし、やがて彼は、それが単なる一時的な感情ではなかったことを認めざるを得なくなります。


そして、世間に見せている自分と、本当の自分との間にある隔たりは、もはや見過ごすことのできないものになっていきました。

38歳頃、彼は心理療法を受け始めます。

それは、心理学者カール・ユングが「人生半ばの目覚め(midlife awakening)」と表現した内面的な旅の始まりでした。


その旅はやがて、離婚という決断、そして自らがゲイであることを公にする「カミングアウト」へとつながっていきます。

その選択によって、人間関係を失い、教会共同体の一部から受け入れられなくなるという代償を払いましたが、一方で彼は、自分らしく生きることへの深い充実感と心の一致を得ることができました。


後年、キャッシュはこの時期を、単に「カミングアウトした時期」とは語りませんでした。

彼にとってそれは、偽りの自分を演じる生き方(hypocrisy)から、自分の内面と外側の生き方が一致した状態(congruence)へと移行していく過程だったのです。

つまり、自分の現実の姿に合わせて、外側の人生を整えていく歩みだったと振り返っています。


心理タイプとの出会い

ちょうどこの頃、キャッシュは勤務先で大規模な企業文化改革プロジェクトを率いていた際に、MBTI(Myers-Briggs Type Indicator:マイヤーズ・ブリッグス・タイプ指標)と出会いました。

上司は、人間関係や対人コミュニケーションの力学を理解する助けになることを期待し、彼にMBTIを受けるよう勧めました。


しかし、その体験は単に対人関係を理解する以上の、大きな意味を持つものとなりました。


MBTIは、長年理解できずにいた自分と妻との違いを、すぐに説明してくれたのです。

特に、判断型(Judging:J)と知覚型(Perceiving:P)の違い、

そしてそれに関連する外向的感覚(Extraverted Sensing:Se)と内向的感覚(Introverted Sensing:Si)の違いが、二人の関係を理解する大きな手がかりとなりました。


その奥深さに魅了されたキャッシュは、MBTIの認定資格を取得し、専門家として学ぶことを決意します。


1999年、彼はモンタナ州ビッグスカイで開催されたMBTI認定プログラム(MBTI Qualification Program)に参加しました。

講師を務めていたのは、オットー・クレーガー(ENFJ)と、その妻であるジャネット・クレーガー(INFP)でした。


この研修は、彼の人生に大きな影響を与えることになります。


さらにワークショップの最中、キャッシュは、MBTIの共同開発者であるイザベル・マイヤーズの孫娘が、同じ受講生として参加していたことを知ります。

この偶然は、その経験を彼にとってさらに忘れがたいものにしました。


この出会いは、彼のキャリアを大きく変える転機となりました。

キャッシュは心理タイプの学びに深く没頭し、それが単なる性格分類ではなく、人の成長を支える力強い枠組みであることを知ります。

そして同時に、人と人との違いを理解し尊重しようとする人々のコミュニティとも出会うことになったのです。


自分のタイプを見つめ直す

当初、キャッシュは自分をENFPだと考えていました。

ENFPという結果が出たときのことを、彼はこう振り返ります。


講師のオットーは彼に、

「一度ENFPなら、ずっとENFPだよ。」と語ったそうです。


しかし、キャッシュにとっては、その言葉は必ずしも当てはまりませんでした。


心理タイプについて学びを深め、多くのタイプ実践者たちと対話を重ねる中で、彼は次第に自分はESFPなのだと確信するようになります。


そのきっかけの一つとなったのが、タイプ実践者のダニエル・ポワリエ(INFP)との出来事でした。

ダニエルがキャッシュの自宅を訪れた際、壁に飾られた写真や絵を眺めながら、あることに気づきます。そこには、オペラハウスや建築、美しい夕焼けなどの作品が数多く飾られていました。


それらは、外向的直観(Ne)を主に用いる人の家に見られるような雰囲気とは少し違っていたのです。


そこでダニエルは、「もしかすると、あなたは感覚タイプ(Sensor)なのではないでしょうか」と口にしました。


その後、キャッシュはダリオ・ナルディ(INTJ)とも学ぶ機会を得ます。

そして、自分の中心となる心の働きは外向的感覚(Se)であることを確信するようになりました。


キャッシュはこう語っています。


「ESFPだと気づいてからの私は、以前よりずっと自分らしくなりました。

 ENFPだった頃よりも、今のほうが本物の自分でいられるのです。

 ENFPになりたいと思っている人は、実は少なくないと思います。」


振り返ってみると、最初に自分をENFPだと考えた背景には、いくつかの要因が重なっていたと彼は考えています。


人生半ばの発達段階にあったこと、

本来の自分を隠して社会的な仮面をかぶって生きていたこと、

外向的感覚(Se)がどのように現れるのかを十分に理解していなかったこと、

そして当時のタイプ理論の説明が、感覚を内向的感覚(Si)の特徴として描くことが多く、外向的感覚(Se)の姿を十分に表していなかったこと


──こうした要素が重なっていたのです。


そして、自分の性的アイデンティティを含め、ありのままの自分を受け入れられるようになったことも、自分のタイプをより正確に理解する助けになりました。


キャッシュは最後に、このように語っています。


「本当の自分のタイプを見つけることは、私のアイデンティティやペルソナそのものが

 変わっていく過程でもありました。

 白い柵に囲まれた家があって、伝統的な家庭を築き、二人の子どもと暮らす──

 そんな人生を生きようとしていた自分と、本当の自分との間で、

 私はずっと葛藤していたのです。」


ありのままの自分を生きる

キャッシュ自身の人生は、

親の期待に応えようとする献身的な息子と自分らしく生きようとする一人の人間、

信仰に忠実な教会のリーダーとゲイである自分、

そして人に尽くし期待に応えようとする自分とありのままの自分──

そのすべてを調和させていく歩みでもありました。


彼は、「自分らしさ(オーセンティシティ)」への旅とは、内面のアイデンティティと実際の生き方が、少しずつ一致していく過程であると考えています。


宇宙を思わせる幻想的な抽象絵画。中央には銀河のような空間を抱えた球体が描かれ、その周囲を緑、青、赤、黄の4人の裸像が異なる姿勢で囲んでいる。背景には大小さまざまな惑星や天体が浮かび、生命や宇宙、創造を象徴するようなダイナミックな構図となっている。
キャッシュが経験していた「対立する心の働きの緊張」を受け止め、統合していく過程を支えた、ダニエル・ポワリエの作品。

キャッシュは、次のように振り返ります。


「自分自身を知ること。

 そして、自分に正直であること。

 それが何より大切です。

 この考えは、私が長年力を入れてきたリーダーシップ開発にも深くつながっています。

 自己認識(セルフ・アウェアネス)は、優れたリーダーにとって欠かすことのできない

 土台です。

 研究でも、自己認識の欠如こそが、リーダーシップが失敗する最大の原因であることが

 示されています。」


キャッシュはまた、「ありのままの自分で生きること(オーセンティシティ)」は、「好き勝手に振る舞うこと」ではないと明確に区別しています。


彼にとってのオーセンティシティとは、周囲の人が目にしている自分と、本当の自分とが一致している状態、つまり内面と外側の生き方が調和していることなのです。


アメリカ南部で育ったキャッシュは、周囲の期待に応えながら、さまざまな役割を果たしてきました。


  • 良き息子

  • 模範的な学生

  • 献身的な夫

  • 教会のリーダー


しかし、その一方で、自分という存在の本質的な部分が隠されたままであることを、彼自身はずっと感じていました。


彼にとってカミングアウトとは、自分の人生に「一致(congruence)」と「ありのままの自分らしさ(authenticity)」を取り戻すための、勇気ある決断だったのです。


そしてキャッシュは、繰り返し次のことを強調しています。


「ほかのタイプになろうとする必要はありません。

 あなた自身のタイプを、最も自分らしく生きてください。」


レストランで食事を楽しむキャッシュ・キーヒー。青いシャツを着て満面の笑顔を浮かべ、大きなロブスターを両手で持ちながら食事を楽しんでいる。店内には他の来店客がくつろぎ、にぎやかな雰囲気が広がっている。
キャッシュは、自らを「フーディー(食をこよなく愛する人)」だと語っています。

多くのリーダーシップに関する書籍では、「優れたリーダーを手本にして学ぶこと」が勧められています。

しかし、キャッシュは、リーダーが本当に見つけるべきなのは、


「自分らしいリーダーシップとは何か?」


という答えだと考えています。


歴代アメリカ大統領のリーダーシップ・パターンを研究する中で、彼は、真に自分らしいリーダーシップには一つの正解はなく、人それぞれ異なるという確信を深めました。

それは、心の中で最も自然に働く機能(主機能)が人によって異なるため、それぞれが自然と異なる方法で人を導くからです。


キャッシュは、人生の前半を通して、「周囲が望む人物」になる方法を学び続けてきました。


しかし皮肉なことに、心理タイプを学んだことで、彼はようやく「誰かを演じること」をやめることができたのです。

模範的な息子、献身的な夫、教会のリーダー、そして自分をENFPだと思い込んでいた時期を経て、本来の自分であるESFPとして生きるようになった――

その歩みこそが、現在の彼の仕事の土台となっています。

だからこそ、今、キャッシュがリーダーシップを教えるとき、彼は人々に「別の人になりなさい」とは決して言いません。

彼が伝えているのは、「もっとあなたらしくなってください。」

「あなた自身の可能性を、より豊かに生きてください。」

というメッセージなのです。


最後にもう一つ!

ユングと「色」

実践的な考え方を大切にするキャッシュは、心理タイプをより覚えやすく、理解しやすくするために、それぞれの機能を色で表現しました。


その着想を得るために色彩と心理の関連を調べていたところ、ユングの著作の中に、「緑は感覚機能(Sensing)と関連づけられる」と述べられている箇所を見つけたといいます。


そのため、ユングが夢を解釈する際には、

  • 感覚(Sensing) は 緑

  • 感情(Feeling) は 赤

  • 思考(Thinking) は 青

  • 直観(Intuition) は 黄色 または 金色

として表現されることが多かったそうです。


キャッシュは当時を振り返り、次のように語っています。


「私は『レッド・ブック』の初版の一つを購入しました。

 そして、その中に描かれたイメージや美しいカリグラフィー、

 色彩豊かなマンダラの数々に、すっかり魅了されてしまったのです。


 その後、チューリッヒのユング研究所でも調査を行い、

 ユングの女性患者の一人が制作した作品を見つけました。私はその作品を購入しました。


 そこには、青みがかった緑(ティールグリーン)と、赤、青、

 そして金色が使われていました。」

黄色・青・水色・赤の4色が渦を描くように円形に配置されたシンボルイラスト。中央には丸い円の中に胎児の姿が描かれており、生命の誕生や成長、4つの要素の調和を象徴するデザインとなっている。
キャッシュがC.G.ユング研究所から購入した絵画。

取材・文 権藤晴美


 

※インタビューオリジナル全文※


Cash Keahey: A Life of Authentic Leadership

Cash Keahey was born in 1957 in Natchez, Mississippi, and grew up just across the Mississippi River in rural Louisiana. His childhood was deeply rooted in Southern culture—a world of farming, church, family reputation, and traditional values.


His father, who Cash believes was ESTP, was a farmer, crop-dusting pilot, an oil wildcatter, Bible teacher, and eventually became a local politician.



サングラスをかけた父ジャック・キーヒーが屋外の椅子に座ってくつろぎ、そのそばで幼いキャッシュが建物の柱にもたれかかっている幼少期の写真。
Cash with his father, Jack Keahey (ESTP)

His mother, who he believes was an INTJ or ISTJ type, was quiet, thoughtful, and deeply concerned about education, appearances, and doing things properly. 


母マリーが幼い3人の子どもたちと一緒に写る家族写真。左から弟ディーン、母に抱かれた妹マーゴ、右に長男キャッシュが並んでいる。
Cash with his mother Marie (ISTJ or INTJ), and his younger brother Dean (ESFJ) and younger sister Margo (ESTP). 

Although their personalities were very different, Cash remembers them presenting a united front throughout his childhood. Conflict was hidden from the children, creating an atmosphere that felt peaceful but also taught him that disagreement was not acceptable.


As the oldest child and oldest grandchild in both families, Cash carried enormous expectations. He was expected to be the "good boy"—earning excellent grades, playing piano, participating in church, and representing the family well.


Once when he was going to the grocery store a community member told him he would vote for his father because Cash was an “exemplary son.”


Looking back, Cash realizes that becoming "the good boy" was the beginning of a lifelong pattern: learning to perform the role others expected while gradually losing touch with the person underneath.


Years later, psychological type would give him the language to understand this tension.


He explained that mother was very big on appearances.


“Appearance was very important to her. She had grown up very poor and felt very self-conscious about her homemade clothes, and so she wanted us to go to school and to church and to travel in our best clothes.


Because these clothes were new and stylish, the other kids (mostly very poor) at school made fun of me and the way I dressed."


成長したキャッシュと弟ディーン、妹マーゴが並んで写る兄弟姉妹の記念写真。フォーマルな服装でカメラを見つめている。
Cash with his siblings.

Even more painful was that from an early age he sensed he was different sexually.


Other boys called him homophobic slurs and physically bullied him.


Rather than fighting back, he coped by making jokes and avoiding confrontation and trying harder to be linked.


These experiences reinforced a habit of hiding parts of himself while becoming increasingly skilled at pleasing others.


Growing Up Between Beauty and Performance

As an Extraverted Sensor Cash describes his delight with beauty and experience: “I want experiences. I want to immerse myself in the world of food and wine and culture and enjoy engagement with the world.”


He describes his love for sunsets—the changing textures, colors, light, and movement fill him with gratitude and awe.


Cash describes sunsets: “It makes me feel alive. I also feel gratitude  to experience this incredible beauty and it gives me a great sense of joy, awe and wonder and peace.”



キャッシュが愛した夕焼けの風景。湖の向こうに沈む夕日が水面を黄金色に照らし、木々のシルエットが美しく映える穏やかな景色。
The view of the sunset from one of Cash's 13 houses that he owned.

Even the homes he chose reflected this philosophy, with expansive windows designed to bring the outdoors inside and to show sunsets.


明るく開放的な住宅のエントランス。白いタイル張りの床の奥には赤いダイニングチェアとテーブルが配置され、壁にはカラフルな抽象画が飾られている。左側には大きな仏像の頭部のオブジェ、右側にはガラス張りのドアから庭の緑が見える。
The interior of one of Cash's homes that also displays a painting done by Danielle Poirier of Cash's psyche.

Cash's interests from childhood reflected intellectual curiosity with the world. He devoured encyclopedias and dictionaries. Geography fascinated him, as did politics and different cultures. Later in life he would visit more than fifty countries, developing a lifelong appreciation for architecture, food, wine, and the beauty of different places.


He narrated programs as a child, emceed events as a preteen, and even preached sermons in church at thirteen. Public speaking became natural, while performing for others reinforced the idea that his value came from pleasing people.


As a former actor Cash described great acting “is not about performing or pretending—it's about being completely present in the moment.”


“Great actors disappear into the role so completely that audiences stop seeing performance and begin seeing reality.”


And yet it was also this total immersion—his desire to please the people around him that would create inner conflict.

 

His First Collision with Reality

Cash entered university determined to satisfy both parents. Believing his father wanted an engineer and his mother wanted a doctor, he chose biomedical engineering despite having little personal interest in it.


The transition proved painful.


Because he had excelled effortlessly in high school, he had never learned how to study and he struggled academically. After two years he decided to transfer universities.


He transferred universities, moved to Houston, changed his major, and began rebuilding his life. Looking back, he recognizes a recurring pattern: whenever an environment no longer fit, he often responded by changing geography and starting over.


Living Behind a Mask

Perhaps the deepest struggle of Cash's life was one he kept largely hidden.


He recognized early on that he was attracted to men. Yet everything around him communicated that this part of himself was unacceptable.


In the fundamentalist evangelical church community in the American South of the 1960s and 70s, there was little room to imagine another future.


Instead of embracing it, he buried it.


He married a woman at twenty-three, honestly telling her before the wedding that he had struggled with same-sex attraction but believing it had been merely a phase. Together they built a family and raised two children.


For nearly two decades he tried to live the life expected of him.


Eventually he realized that it was not just a phase.


And yet the conflict between the person he presented to the world and the person he truly was became impossible to ignore. Around the age of thirty-eight he entered therapy, beginning what Carl Jung described as the "midlife awakening."


That journey eventually led him to divorce and publicly come out as gay—a decision that cost him relationships and acceptance within parts of his church community but ultimately brought him a profound sense of congruence.


Later he would describe this period not simply as coming out but as moving from hypocrisy toward congruence—bringing his outer life into alignment with his reality.


Discovering Psychological Type

It was also during this same period that Cash encountered the Myers-Briggs Type Indicator while leading a major culture-change initiative for his company. His supervisor encouraged him to take the assessment, hoping it would help him understand interpersonal dynamics.


It did much more than that.


The MBTI immediately helped explain the longstanding differences between himself and his wife, especially around Judging and Perceiving, and thus Extraverted and Introverted Sensing.


Fascinated, he decided to become professionally qualified in MBTI.


In 1999, Cash attended an official MBTI Qualification Program in Big Sky, Montana, taught by Otto Kroeger (ENFJ) and his wife Janet Kroeger (INFP).


The experience profoundly influenced him.


During the workshop he also discovered he had unknowingly been studying alongside Isabel Myers' granddaughter, making the experience even more memorable.


The experience transformed his career. He immersed himself in psychological type and discovered not only a powerful developmental framework but also a community devoted to understanding human differences.


Rethinking His Own Type

Initially, Cash identified as an ENFP.


When Cash typed as ENFP, he remembers Otto telling him, “Once an ENFP, always an ENFP.”


It wasn’t quite true for him though.


Gradually, as he learned type and consulting with type practitioners Cash came to recognize himself as an ESFP.


He recalls that type practitioner Danielle Poirier (INFP) visited his home and was observing the pictures on his walls. The pictures of opera houses, architecture, sunsets did not seem. to fit the pictures that would populate an Extraverted Intuitives' house. 


Danielle wondered aloud if Cash was actually a Sensor.


Cash also did some work with Dario Nardi (INTJ) and came to the realization that he was an Extraverted Sensor.


“Now, I'm more authentic now that I realized on the ESFP and not ENFP. Because I think there were a lot of wannave ENFPs.”


Looking back, he also believes several factors contributed to the original mistyping: entering midlife development, living behind a social mask, misunderstanding how Extraverted Sensing appears, and the MBTI's tendency to describe Sensing in ways that often resemble Introverted Sensing rather than Extraverted Sensing.


And becoming more authentic about his identity also allowed him to recognize his type more clearly.


“Finding my true type also represented a transformation of my identity, and my persona. And so can you see how going from a traditional family, you know, house with the picket fence and two children, and you know, all of that was the tension that I was feeling.”


Authenticity

Cash’s own life required reconciling the devoted son with the independent individual, the faithful church leader with the gay man, the helpful people-pleaser with the authentic self.


He sees the journey toward authenticity as one of increasing congruence between inner identity and outward life.

宇宙を思わせる幻想的な抽象絵画。中央には銀河のような空間を抱えた球体が描かれ、その周囲を緑、青、赤、黄の4人の裸像が異なる姿勢で囲んでいる。背景には大小さまざまな惑星や天体が浮かび、生命や宇宙、創造を象徴するようなダイナミックな構図となっている。
A painting done by Danielle Poirer that helped Cash dealing with the Tension of the Opposites that he was experiencing.

He reflects, “You have to know yourself, you have to be true to self. And that ties into something I've been really big about in terms of leadership development.  Self-awareness is absolutely fundamental to a good leader. The research has shown that the lack of self-awareness is the single greatest source of leadership failure.”


Cash distinguishes that authenticity is not simply "doing whatever you want."


Instead, he defines authenticity as the congruence between the person others see and the person you truly are.


Growing up in the American South, he became:


  • the good son


  • the model student


  • the devoted husband


  • the church leader


Yet internally he knew something fundamental about himself remained hidden.


His coming out represented his own courage to bring congruence and authenticity to his own life.


Cash repeatedly emphasizes:

Don't become another type. Become the fullest version of your own type.
レストランで食事を楽しむキャッシュ・キーヒー。青いシャツを着て満面の笑顔を浮かべ、大きなロブスターを両手で持ちながら食事を楽しんでいる。店内には他の来店客がくつろぎ、にぎやかな雰囲気が広がっている。
Cash is a self-professed foodie.

While many leadership books encourage imitation, Cash believes leaders should discover:


"What is my brand of leadership?"


His work with looking at the patterns of effective American presidents convinced him that authentic leadership looks different because different dominant functions naturally lead in different ways.


Cash spent much of his early life learning how to become the person everyone wanted him to be.


Ironically, it was through studying personality type that he finally stopped performing personality altogether. His journey—from the model son, devoted husband, church leader, and aspiring ENFP to an authentic ESFP—became the foundation of his work. Today, when he teaches leadership, he is not asking people to become different people. He is inviting them to become more fully themselves.


And an Extra!

Jung and COLORS!

Cash, being very practical, put the types into colors to make it more memorable.


He researched into color associations and he found “there's one point in Jung’s collective works where Jung says green is correlated with the sensing function.


And so his interpretations of people's dreams, sensing would always come up as green, feeling as red, thinking as blue and intuition as yellow or gold.


He recalled, “I bought one of the first editions of the Red Book and I was just entranced by the images and the calligraphy and all of the mandalas with the colors.


I researched with the Jung Institute in Zurich and I found an image that had been done by one of Jung's female patients. And I purchased it.


And it has, the green that it has is more of a teal green and the red and the blue and the gold.”


黄色・青・水色・赤の4色が渦を描くように円形に配置されたシンボルイラスト。中央には丸い円の中に胎児の姿が描かれており、生命の誕生や成長、4つの要素の調和を象徴するデザインとなっている。
Painting that Cash purchased from the C. G. Jung Institute

Interviewed and written by Harumi Gondo


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